「山と川と夏と、でつながりを」
— ヨガインストラクターとして活動しているとのことですが、
普段は東京の山側(西多摩)をメインに、ヨガのクラスとイベントを開いています。これまでは、自然とヨガを組み合わせたり、アサイーボウルとヨガでコラボをしたりしました。誰かと一緒にやりたくなっちゃう感じで。でも、マルシェという形は初めてです。
人と人がつながる場になれば、と思って「山と川と夏と」の開催が決まりました。イベントではなく、季節ごとに開くマルシェという形です。
子どもも大人も、地元の人も観光の人も、出店者もお客さんも、みんなが楽しめたらいいなと思っています。一方的じゃない、買う・売るで終わらない関係をつくりたい。作品同士のつながりも感じてもらえたらうれしいです。

「自然だけじゃない、東京山側の良さ」
— あきる野で開催するのは何か、
もともと地元愛はそれほどなかったし、どちらかというと都会に憧れていました。きっかけは4年前、沖縄のリゾートバイトから帰ってきたときのことです。
東京の山側は、山と川があって、ゆったりしていて落ち着く場所だと気づいたんです。それだけじゃなくて都心にも海にも行きやすい地域。あれ、私の地元ってめっちゃいいじゃん!と、その時に初めて山側の良さを知りました。
地元の良さに気づいてからは、ヨガスタジオの社員をしながら、個人でヨガのクラスを開いていました。ごえん分校や武蔵五日市駅近くのカフェを間借りしながら細々と。

— 自然の豊かさに気づいたことがきっかけで、
そのヨガクラスで出会う人たちが本当に素敵な人ばかりで。あきる野は素敵な人が多いまちだと思いました。こんなにいいまちだからもっと良さが伝わればいいのにって。
でも、実力や強みがそこまでない私に、何ができるんだろうと思っていて。地元のために何かをするのは難しいと感じていました。
「素敵な人がいるからこそ、自分にできることを」
— 自分ひとりの力で、
最近は、ごえん分校の周辺を中心として、新しいお店も少しずつ増えてきました。あきる野に新しい風が吹いていると感じています。
昔から愛されているお店と、新しく挑戦する人たち。そんな魅力が共存するこのまちに、もっとたくさんの方が足を運ぶきっかけをつくりたいと思いました。
そう思ったとき、自分の周りには素敵な人がいると改めて気づいて。こんなにいい人たちがいるなら大丈夫だと思い、周りに声を掛けていきました。
— どんな方々に声を掛けたのでしょうか?形にしていく上で大変なことはありましたか?
お互いのクラスに行き来している方、移住してきたばかりの方、同級生に声を掛けました。それぞれのつながりがあっての安心感からか、まだマルシェの名前も概要資料もないのに、すぐに協力してくれました。とても心強かったです。
旗を上げるのは私。人を集めるのも私。でも、神7みたいなスペシャリストが揃っているので、特に不安や心配はなくて。やっと開催できることのうれしさの方が強かったです。一人ひとりがすごく魅力的だけど、一人で頑張るよりもみんなでやれば楽しいかな、盛り上がったらいいなと思って準備をしました。

「余白の時間で つながる」
— 魅力的な出店が揃っているとのことですが、
人と人とがつながる中で、出店者にとってもお客さんにとっても、知らないものを知ることができる場になったらいいなと思っています。
マルシェは二部構成になっていて、一部はヨガの時間。そして二部から出店が並びます。実は、一部と二部の間に40分ほど余白の時間を作っています。
当日はごえん分校付近のマップを配ろうと思います。少し歩くと河原があったり、神社や美味しいお豆腐屋さんもあったりするので、ぜひ、マップを片手にあきる野を楽しんでもらえたらうれしいです。

— マルシェから一歩外に出て、
出店者のみなさんは、想いをもって活動されている素敵な方です。あきる野出身のはつみちゃんが出店する n!ce cream さんは、出荷規格を外れて行き場を失った農産物をアイスクリームにしています。
アロマやマッサージ、ネイルなどのワークショップは、日常の延長線上にある感じで体験できるので、今回がきっかけになってくれたらうれしいです。
いきなりですが、木の一本の価値がすごく低いことって知っていますか?
東京チェーンソーズさんは、あきる野の隣にある檜原村で、ヒノキを1本丸ごと使って、木の価値を最大化しようという取り組みをしています。
その一つとして、ヒノキの葉からエッセンシャルオイルを蒸留しているのですが、知人の紹介で森の奥まで見に行かせてもらったことがあるんです。今回のヨガでは、その東京チェーンソーズさんのエッセンシャルオイル「檜原村ヒノキ」を使います。
ぜひ、出店者の方々の想いや人柄を知っていただいて、地元の方はもちろん、観光の方もお子さんがいる方も、気にせずに楽しんでいってほしいです。

「ごえんのある場所で」
— ごえん分校で「山と川と夏と」を開催することには、
4年前にとあるきっかけで畑の手伝いに行ったことがありました。お話をしている中で、その方があきる野の移住相談セミナーの担当をしている方だと知りました。お弁当も出るし遊びにおいでよと言われて、なぜかそのセミナーに参加したんです(笑)
セミナーに参加した時に、隣の席に座っていたご夫婦とお話をして、周囲のお客さん同士も話が盛り上がっていました。その後も連絡を取り合ったり、出会いが広がったり。人と人とのつながりを感じた、その開催場所がごえん分校だったんです。
ヨガの語源にはつながるという意味があります。ごえん分校は、まさにご縁がつながる場所。だから、マルシェを開くのはここしかないと思いました。

「循環するということ」
— 季節ごとのマルシェということは、
色々な経験を経て、この山側の価値を知ることができました。だからこそ、西多摩全体を盛り上げるマルシェにしていけたらいいなと思っています。
特にあきる野はフラっと来れる田舎なので、「そこに誰がいるか」が結構大きいと思っていて。だから、魅力溢れる人たちがいる地域ということを知ってもらう入り口になれたらと思っています。行く行くは市町村の移住セミナーとも協力して、ちょっとずつ仲間を増やせたらいいなと。みんな引っ越してきなよ!と思っています。
— 最後に。山川夏実にとって、
きっと同級生が知ったら、こんなに地元愛が強かったの?と驚くと思います。でも、小中学生のときは自然でよく遊んでいました。とにかく川に飛びこんでいたし、木にも登っていた。小さい頃は当たり前にあった自然に、今はとても癒されています。
もともと集団で過ごすことが得意なタイプではなかったんです。でも今は、人に会うことやつながることは、すごく大事だと思っています。知らないものを知ることができたり、改めて価値に気づいたりする、そんなきっかけになると思うから。
最近思うのは、「なっちゃんだから」と言われることってすごくうれしいことだなと。やっぱり「頼んで良かった」と言ってもらいたいので、一つひとつの出会いを大事にしようと思っています。一回で終わらせないで広げていきたい。人とのつながりも、循環できたらいいなと思います。